Qwen3.8-27B + Ollama でローカルAIを動かす完全ガイド

Qwen3.8-27B の概要

Qwen3.8-27B は、Alibaba の Qwen チームが 2026 年 8 月 14 日に公開したオープンウェイトモデルです。パラメータ数 27.78B の密結合 (dense) モデルで、ライセンスは Apache 2.0。Hugging Face と ModelScope で重みが公開されています。

先行して 8 月 3 日に公開されたフラッグシップの Qwen3.8-Max (2.4T パラメータの MoE) に続く形でリリースされた、ローカル実行向けのサイズです。前世代の Qwen3.6-27B と同じく単一 GPU で動かせる規模ながら、今回からネイティブのビジョン言語モデルになり、テキストに加えて画像と動画 (最大 1 時間) を入力できます。

  • パラメータ数: 27.78B (dense)
  • 入力: テキスト、画像、動画
  • コンテキスト長: ネイティブ 262,144 トークン (YaRN で最大 100 万トークンまで拡張可能)
  • ライセンス: Apache 2.0

主な特徴

ハイブリッドアーキテクチャ

Qwen3.6-27B で採用された Gated DeltaNet (線形アテンション) 構造をさらに発展させています。全 64 層が 16 グループに分かれ、各グループは「3 × (Gated DeltaNet → FFN) + 1 × (Gated Attention → FFN)」という構成です。線形アテンションを主体にすることで、262K という長いコンテキストでも KV キャッシュの消費を抑えられます。Multi-Token Prediction (MTP) にも対応しており、対応バックエンドでは推論の高速化が見込めます。

思考モードと reasoning_effort

思考モード (thinking) はデフォルトで有効です。今回から思考の深さを `reasoning_effort` で 3 段階に制御できるようになりました。

  • low: 効率重視。簡単なタスク向け
  • medium: 精度と速度のバランス
  • xhigh: 徹底的な分析 (デフォルト)

注意したいのは、デフォルトの xhigh はかなり「考えすぎる」設定だという点です。Simon Willison 氏のレビューでは、単純な指示に対しても数分〜数十分の思考を費やす例が報告されており、まずは low または思考なしで試すことが推奨されています。

同氏の環境では、思考の有無で同じタスクの所要時間が 21 分と 2 分という差になった実例もあります。

Thinking Preservation

Qwen3.6 で導入された Thinking Preservation は本バージョンでも既定で有効 (preserve_thinking) です。会話履歴の思考ブロックを保持することで、複数ターンにまたがるエージェントタスクでの一貫した推論を可能にします。

Qwen3.6-27B からの主な進化

Qwen チームが公表しているスコアでは、エージェント系タスクとコンピュータ操作の伸びが目立ちます。

ベンチマークQwen3.6-27BQwen3.8-27B
Terminal-Bench 2.163.473.0
DeepSWE 1.113.342.2
SWE-bench Pro53.561.7
OSWorld-Verified63.984.3
SWE-MM25.738.6

特に DeepSWE 1.1 (+28.9) と OSWorld-Verified (+20.4) の伸びが大きく、「デスクトップサイズのモデルでエージェントを回す」用途が現実的になってきたことがうかがえます。

ベンチマーク結果

主要スコアは次のとおりです (いずれも Qwen 公表値で、第三者による独立検証はまだありません)。

カテゴリベンチマークスコア
コーディングSWE-bench Pro61.7
コーディングTerminal-Bench 2.173.0
知識・推論GPQA Diamond89.2
コンピュータ操作OSWorld-Verified84.3
コンピュータ操作AndroidWorld81.9
ビジョンMathVision94.6

主な用途

  • エージェントコーディング (リポジトリ横断の修正、ターミナル操作)
  • コンピュータ操作エージェント (スクリーンショット理解と GUI 操作)
  • 画像・文書・図表の理解 (STEM 系の図表や帳票の読み取り)
  • 長時間動画の理解 (最大 1 時間)
  • 262K コンテキストを活かした長文ドキュメント処理

必要なハードウェア

Ollama で配布されている量子化版はダウンロードサイズ約 18GB です。目安は次のとおりです。

フォーマット重みサイズ目安
Q4_K_M (Ollama 標準)約 16〜18GBVRAM 24GB (中程度のコンテキスト)
FP8 (公式)約 29GBVRAM 48GB 以上
BF16 (公式)約 52GBVRAM 80GB 以上

注意点として、上記は重みのサイズであり、コンテキストを長く取るほど KV キャッシュが追加で必要になります (ネイティブ 262K をフルに使うと KV キャッシュだけで 16GiB 程度)。24GB クラスの GPU なら 64K 前後のコンテキストが実用的な目安です。Apple Silicon の Mac ならユニファイドメモリ 32GB 以上を推奨します。

Ollamaのインストール方法

macOS

必要OS: macOS 14 Sonoma 以降

  1. https://ollama.com/download/mac からDMGファイルをダウンロード
  2. DMGをマウントし、Ollamaアプリを Applications フォルダにドラッグ&ドロップ
  3. アプリを起動するとメニューバーにアイコンが表示される
Versionの確認方法

アプリケーションからターミナルをクリックします

以下のコマンドを実行してバージョンが表示されれば正しくインストールされています

# インストール確認
ollama --version

Windows

必要OS: Windows 10 以降

  1. https://ollama.com/download からEXEインストーラーをダウンロード
  2. ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリックして「install」ボタンをクリック
  1. 画面の指示に従いインストールを完了
  2. スタートメニューからOllamaを起動

Version確認方法

以下のコマンドを実行するとOllamaのバージョンが確認できます

ollama --version

Linux

ターミナルで以下の1コマンドを実行するだけです:

curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh

Linuxにインストールすると、ollama.service というsystemdサービスが自動作成され、OS起動時に自動的にOllamaが起動します。

# サービスの状態確認
sudo systemctl status ollama

# サービスの手動起動
sudo systemctl start ollama

# インストール確認
ollama --version

5. Qwen3.8のインストールと起動

Ollamaをインストールしたら、以下のコマンドでQwen3.8を利用できます。

モデルの取得と実行(ollama run)

ollama run コマンドはモデルが未取得の場合は自動的にダウンロードし、そのままチャットを開始します。

ollama run qwen3.8:27b

チャット画面が起動したら、プロンプトに質問を入力して Enter で送信できます。終了するには /bye と入力します。

インストールの例

以下はqwen3.8:27bのインストールを実行している状態です

インストールが完了すると「Send a message (/? for help)」と表示されます

>>>」と表示されている場合、ここにメッセージを入力することができます

以下は「こんにちは」と入力した例です

/bye」と入力して「Enter」キーを押すとOllamaが終了します

モデルのダウンロードのみ(ollama pull)

runはモデルを実行するコマンドでモデルがダウンロードされていない場合、ダウンロードを同時に実行するコマンドでした。

モデルだけダウンロードしたい場合は以下のコマンドを実行するとモデルだけダウンロードできます

# モデルを事前ダウンロードしておく
ollama pull qwen3.8:27b

以下はコマンドの実行です

モデル一覧の確認

ダウンロードしたモデルは以下のコマンドを実行すると表示できます

# ダウンロード済みモデルを一覧表示
ollama list

以下はコマンドの実行です

モデルの削除

モデルの容量が多いため不要なモデルは以下のコマンドで削除することができます

# 不要なモデルを削除してストレージを解放
ollama rm qwen3.8:27b

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